●アレルギー性皮膚炎・アトピー性皮膚炎

  アレルギーとは、免疫反応性が変化した状態で通常は過敏症を意味し、食餌性アレルギーや接触性、ノミアレルギーなどがあり、近年、犬にも非常に増えてきています。
食餌性・接触性・ノミなどは原因物質(アレルゲン)を回避することが比較的容易です。

 アトピーとは、動物の場合は吸入性アレルギー性皮膚炎を指します。
吸入性と聞いて、何が吸入されているのかと思われる方もいると思いますが、一例を挙げれば花粉・ハウスダスト・カビの胞子などです。
これらを吸入し、その反応として皮膚に痒みが起きるのです。
近年これらアトピーを含むアレルギー性皮膚炎の症例数が非常に多いのは、獣医師であれば誰しもが実感していることと思います。
人間社会の一員として暮らす動物たちにも人間と同じ傾向が出ているのでしょう。

 アトピー性皮膚炎の定義ですが、以下の基準(Tom Willemes提案)があります。
これらのうち、それぞれ一定以上満たすとアトピー性皮膚炎の可能性が高いのです。
 
大基準

 @痒み
 A慢性あるいは再発性の皮膚炎
 Bアトピー性皮膚炎の好発犬種(ウェスティーやシーズーなど)
 Cアトピー性皮膚炎の家族歴
 D四肢・顔面の皮膚症状
 E腋・鼠径の皮膚症状

小基準
 @3歳以下での発症
 A顔面・口唇の炎症
 B結膜炎
 C外耳炎
 D多汗症(体表に湿っている部分がある)
 E抗原特異的IgEの上昇
 F皮内反応陽性



 それではどうやって治すのか?・・・・人間の花粉症と同じで、基本的には治りません。
ただ、花粉症の人が薬を飲んで症状を抑えたり、空気清浄機を使ったりお茶やサプリメントを試すように、動物の場合もやり方次第で症状を抑えることができます。

 当然ながら、皮膚症状を起こす他の基礎疾患や要因を鑑別し除外していくことは最も重要です。またアレルゲンを突き止める事に関しては、血液検査や皮内テストなどが実施されていますが、
どれも確実なものではなく、あくまで目安として利用していきます。

 治療は、
出来れば抗ヒスタミン剤薬用シャンプー漢方必須脂肪酸などでコントロールしていきます。
ただ、ステロイドを使用しないと見るに耐えない痒みが収まらないことも多いのは事実です。
しかしステロイドに関しては、「容量」及び「投与間隔」を極力低減する事を目標とします。
現在、当グループ病院での治療例では一般的なプレドニゾロン通常維持量(0.5mg隔日投与)の約1/10量(0.16mgを3日に1回投与)で痒みのコントロールに成功しています。

 また、根本的に症状を改善する方法として減感作療法を実施しています。
抗原特異的免疫療法は、検査によってピックアップしたアレルゲンの抽出液を徐々に濃度を上げながら投与していく方法です。こうすることで、アレルゲンに対する感受性を低下させます。

 どの子にも同じ様に奏功する治療法の無い病気ですが、耐え難い痒みを取り除いてあげながら
ゆっくりとベストな状態に持っていってあげるように心がけています。






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